熱血でなく傾聴からの助言が子どもたち最大の励み

「あのコーチは熱血だからね」

私にとっても、残念なニュースが飛び込んできました。

女子バレーボール部の顧問を務めるあるコーチが、部員に対して至近距離からボールを投げ、顔にケガを負わせた疑いをかけられています。

そのコーチは、県内の公立高校を何度も全国大会に導き、春高バレーではベスト4にも押し上げた。バレーボール界では有名なコーチでした。

私は、このコーチに1度だけ取材した経験があります。当時、従事していた高校は県内の公立高校なので、お世辞にも競技環境としては良くないです。

他の部活動もあるため、女子バレーボール部が使用できるのは、体育館の4分の1の広さでした。そんな状況でも、部員である選手たちはコーチの教えを胸に全国大会まで駆け上がったのです。

取材の時は、選手2名とコーチに話を伺うことができました。選手2名というのは、キャプテンとエース。コーチはこの2人を中心にしたチーム作りを進めていました。

コーチがサーブの重要性を熱く語っていたことを最近のように思い出します。コーチが練習で声をあげるシーンを見ることはできませんでしたが、話す雰囲気だけ見ても熱いコーチとわかりました。

ただ熱血だからといって、ボールの投げつけや言葉の暴力をしてもよいわけではありません。

部員に傷害を与えているのならば論外です。

最近、私が子どもたちへ勉強を教えるようになってから実感することは、

熱血というのは感情論に過ぎない

ことです。

感情を表に出さなくても、子どもたちが置かれている状況を的確に冷静な口調で話をしてあげる

と、子どもたちに正しく想いを伝えることが可能だからです。

これはスポーツや教育だけでなく、コミュニケーション全般に言える事。

自分の思うとおりにならなければ、感情で押し切ろうとする。

子どもたちは感受性が豊かなので、きついことを言われた直後では特にリアクションが無くても、その後にじわじわと嫌な感情が湧き出てくるようで、これに大人がなかなか気づけないのです。

私はスポーツメンタルの取材経験から、スポーツメンタルと学習をつなぐコーチングを始めています。

このコーチに取材した当時、私はスポーツを勝ち負けだけで判断をしていました。しかし、様々な指導者の声を集めていくうちに、技の他に心と体の重要性を知ったのです。いわゆる「心・技・体」はこういうことなのかと。

チームスポーツであれば、必ず勝ち負けがあります。勝てば何かと注目が集まりやすいですが、負けてしまえば注目すらなくなります。

ただ、負けたチームも試合を勝つために、取り組んできたプロセスは、外から見ている人の想像をはるかに超える内容だと推測できます。つまり、ここにたどり着くプロセスこそが大切なのです。

試合の勝敗は、個人にとってはその時で終わりです。試合に負ければ、次の試合で勝てるように取り組めば良いわけで、試合で負けた経験もその先の人生に大きく作用していくはずです。つまり、

熱血だけでは子どもたちに想いを伝えることはできません。

子どもたちが置かれている状況を的確に見極めていくこと。

しっかり子どもたちの声に耳を傾けること。

これこそが、子どもたちにとって最大の励みになるのです。私は、子どもたちのサポートをこのような想いで続けていきます。ともに成長しながら歩んでみませんか。

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